主張・見解
柳沢厚労相の「女性は産む機械」に抗議
婦民新聞第1226号(2007年2月10日発行)より
柳沢伯夫厚生労働大臣は一月二十七日、松江市で開かれた自民党県議の集会で講演し、少子化対策に言及する中で「十五から五十歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、機械というのは何だけど、あとは一人頭でがんばってもらうしかない」などとのべたということです。女性が出産機械であるかのようなこの発言は、女性の人間としての尊厳を否定し、家畜同様にみるもので、甚だしい侮辱、人権侵害です。
出生率向上のためには労働条件の改善がもっとも効果のある対策であることは諸外国の例からも明らかです。しかし日本の働く人々の現状は劣悪であり、大企業はバブル期を超える大もうけをしていながら低賃金の非正規雇用をふやし、リストラもしています。特に働く女性は男性の半分の賃金で、無権利、不安定であり、男女とも安心して子どもを生み育てる条件がありません。しかもこれに拍車をかけるように、政府は労働法制の改悪をはかろうとし、大企業にはさらなる優遇税制で減税し、庶民には増税や負担増を押しつけてきています。貧困層の増大、少子化の基本的原因は、政府の労働・教育・福祉政策のあやまりにあります。特にこの分野の最高責任者である厚生労働大臣が、このような恥ずべき人物であることは許せません。諸外国のメディアも日本の厚労相の驚くべき発言として取り上げ、批判しています。婦人民主クラブは二十八日、柳沢厚労相には謝罪と辞任を求め、安倍総理には任命責任を追及し、柳沢厚労相の罷免を要求する抗議文を送りました。