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第1225号

2007年1月30日(火曜日)発行

こんにちは

警察・検察の体質をただす裁判


沖田事件国家賠償訴訟の勝利めざし夫と共に闘う
沖田有美さん(婦民国立支部)

迷いなどなきといえども眠られぬ闇をかかえし夜半のひととき

沖田有美さんの夫、光男さんは一九九九年九月JR中央線の車内で、いつまでも携帯電話で話し続けてやめない若い女性に「電車の中で携帯電話はやめなさい」と注意しました。女性が「わかったわよ」と大声でどなったので気まずくなってその場を離れ、自宅のある国立駅で下車、歩いているところを二人の警察官に「痴漢の現行犯」として捕えられました。注意された女性が後をつけて来て腹いせに警察に訴えたのでした。光男さんは荏原製作所の課長でしたが、不当に逮捕、拘留され、不名誉な疑いで二十一日間、身柄を拘束され検事の屈辱的で過酷な取り調べで「自白」を迫られました。その後、同型の車両で現場検証され、女性のいう「痴漢行為」は不可能とわかって「不起訴」になりました。

「痴漢冤罪事件は年間約五千件、不起訴になるのは奇跡に近いのです」と有美さんはいいます。「何もしていないのに有罪にされ、失職、離婚、うつ病、自殺の悲劇も」

逮捕されたら九九・九%有罪にされる警察・検察の捜査のあり方をただし、人権侵害や冤罪事件をなくしたい、真実と正義の守られる裁判をと、光男さんは二〇〇二年四月、国(検察庁)と東京都(警察)と女性を相手どって、損害賠償を求める裁判を起こしました。

幾たびも道ゆく人に会釈する国立駅頭月ごとの宣伝

有美さんは青山学院大学卒業後、英語雑誌の編集などに携わり、結婚後は聴講生として再び大学に通い、国文科や英文科で学び、母校の法学部に学士編入したりして約十年、勉強を続けました。

「夫が司法をただす裁判を始めたので、学んだことが役に立ってはいますが、私のシルバーエイジの夢は台なしです」

子どものない有美さんは短歌や水泳を楽しみ、書道は師範の腕前、登山やホノルルマラソンに参加するなど自由な人生を謳歌していました。婦人民主クラブ国立支部の会員として地域活動も。

「この裁判を支援して下さる方は全国に千人。でも当事者ががんばらなくてはならないので、私は超多忙になりました」

痴漢冤罪事件の多さに映画「それでもボクはやってない」(周防正行監督)も作られました。

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