トップ 婦民とは? 婦民新聞 主張・見解 イベント情報 入会案内 部会の部屋 支部の部屋 お問い合わせ / 交通アクセス

婦人民主クラブ > 婦民新聞 > 過去の記事 > 第1215号

第1215号

2006年10月10日(火曜日)発行

婦人民主クラブの60年(28)
新聞代値上げ反対で全国百万世帯をリード 地域に根付いた消費者の運動


地域の業者の協力を得て廃品回収で伊勢湾台風被害者へ救援カンパを送る(自由が丘支部1959年10月10日)

一九五九年一月一日、キューバ革命勝利。日本では安倍晋三首相の祖父でA級戦犯容疑者の岸信介第二次内閣が発足、防御用小型核兵器は合憲などと答弁し、あわてた側近は一週間後、「攻撃的兵器の保有は憲法の趣旨ではない」との政府統一見解を発表しました。前年から騒がれていた皇太子明仁(現天皇)の結婚式四月十日を目前にして、皇室ブームの影に隠れるかのように新聞各社が一斉に料金を値上げしました。三月三十日の一片の通告で四月一日から月決め三百三十円が三百九十円に。全国五十一社、六十二紙の一斉値上げは独占禁止法違反と、婦人民主クラブも参加する全国消費者団体連絡会は、ただちに公正取引委員会に提訴。新聞社側はこの抗議行動を「言論の自由を拘束する暴力」と反発し、たちまち全国に広がった新聞代値上げ反対運動を一切報道せず、黙殺しました。

婦人民主クラブでは「公正取引委員会の審決が出るまで値上げ分をまけさせましょう」と新聞代値上げ反対特集号の婦人民主新聞を増刷して、全国百万世帯を巻き込んだ大運動をリードしました。

色部百合子さん(元婦民再建会長)は、当時この運動に熱心に取り組んだ一人でした。「たった六十円の値上げ、ではありません。一本十三円の牛乳を共同購入で十円にした地域もあった時代です。値上げ幅も大きかったし、大企業の横暴は許せませんでした。自由が丘支部の倉橋知余さん(町田支部の秀島千鶴さんの母)と値上げ反対のステッカーを近所の家々に貼らせてもらったり、婦民の腕章をつけて新聞社に交渉に行ったりしました。三月に安保改定阻止国民会議(安保共闘)が結成されて安保条約改定反対運動も始まっていましたから、この運動では志村やすさん(歴史教育者協議会の志村毅一さんの母)と毎日のように行動しました。志村さんは美人なので、彼女と腕を組んで婦民の小旗を掲げた私たちの写真が新聞や雑誌によく出ましたよ」と、九十二歳の色部さんは若い日に共に活動した仲間たちのことを話してくれました。

新聞代値上げについての公正取引委員会の審決は、「値上げ不問」違法ではないというものでした。東京地裁に提訴して法廷闘争に場を移しましたが、結果は「却下」でした。しかしこの消費者運動は地域を変え暮らしを守る力をつけました。九月に中部地方を襲った伊勢湾台風は明治以来最大で、死者五千四十一人、被害家屋五十七万戸。婦民も各支部でさまざまな救援活動に取り組みました。

▲ページ上部へ