第1292号
2009年02月20日(金曜日)発行
こんにちは
アコーディオンに魅せられて
ピアニストアコーディオン奏者
Miyack(ミヤック)さん
ミヤック、本名は渡辺美和子さん。三月十五日、全国教育文化会館・エデュカス東京で開かれる婦人民主クラブ創立六十三周年記念のつどいでアコーディオンを演奏します。国立音大ピアノ科を卒業、ピアニストとして活動を始めたミヤックさんが、なぜアコーディオンなのか、その経緯からききました。
ことの起こりはパリ。大学を卒業後、オペラのピアノを弾いたり、踊りやダンスを習ったり、そんな自分探しをしている時に一人の歌手と出会い、日本の歌を中心に歌うその人の伴奏者としてパリへ同行、地下鉄の中でアコーディオンを弾くストリートミュージシャンに出会ったのです。
「群衆」というシャンソンの一曲。すばらしい演奏に衝撃を受け、早速楽器屋へと走りアコーディオンを買って、その日から弾き始めました。
アコーディオンの魅力は、メロディーが線で、リズムは時を刻み、ハーモニーは色合いをというその三つを持っているところ、「奏者の多くは小さなオーケストラだと誇りに思っています」
「六月にパリでアコーディオンを買い、次の年の六月に新しい命、息子を授かりました」
師匠は金子万久先生。「アコーディオンは教えるものではない」と。「先生からいただいた楽譜の『ラ・クンパルシータ』が弾きたくて、子どもを寝かせて、けいこは夜中になりました」。でもそんなことをしていたら「夫に逃げられちゃいました」
息子は今、十一歳、ミヤックさんの最良のアシスタント。老人ホームなどへのボランティアでは彼もピアノを弾きます。
重いアコーディオンを抱えてミヤックさんは海外へも。特にペルーは思い入れの深い国。オリジナル曲「海と砂漠」はペルーで生まれた曲です。
長崎での世界の平和を願うコンサートも、浦上天守堂を皮切りに続いています。「被爆者の方々も応援してくださって」「自己満足にならないように、アコーディオンを弾くことで社会に参加したい」とミヤックさん。パートナーの牧千恵子さん(バイオリン)と共に、Deux Marches(ドゥマルシェ)としての活動も。
アコーディオンはかかとの細い靴では弾けないのだとか。ブーツで足もとを固め、パワフルな魅力あふれる演奏をきかせてくれることでしょう。