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第1258号

2008年1月30日(水曜日)発行

東京都協の新春講演会で聞く
若杉鳥子の文学と生涯


講演する奈良達雄さん

東京都支部協議会は、「新春のつどい」を一月十七日、東京・飯田橋で開き、七十余人が集いました。

開会挨拶で都協代表の植木和子さんは、都民生活を無視したオリンピック誘致一辺倒の石原都政を批判。「今年は二年に一度の大会の年、婦人民主クラブが本来の名称を回復して初めて開く大会でもあり、心を一つにそれぞれの支部で会員・読者を増やして迎えましょう」とうったえました。この一年各支部で新しく迎えた会員を紹介し、歓迎の拍手で喜びあいました。

また、塩谷満枝副会長は、新テロ特措法など緊迫する国会行動の先頭にたった都協の仲間をたたえ「少しずつではあるが日本も変化している。大会の前後には総選挙も予想される。私たちの要求を前進させる政党の躍進を」と挨拶しました。

つづいて昨年、中学生向けに日本青年会議所が作成した問題のビデオ『誇り』―伝えようこの日本(くに)の歩み―を見、その巧妙な戦争美化の靖国アニメに驚きながら、あらためて歴史を正しく伝えることの大切さも確認しました。

午後は奈良達雄さんの講演『若杉鳥子―その作品と生涯から何を学ぶか』。奈良さんは、かつて婦民新聞「文学の風景」を三年執筆・連載され、新日本歌人協会代表幹事、日本民主主義文学会会員でもあります。鳥子の作品を朗読しながら進められました。

戦前のプロレタリア作家、歌人であった若杉鳥子の生い立ちは複雑。その逆境をバネにした自伝的小説『或る貧しき女の手紙』や『梁上の足』、随想『雨の回想』などにふれ、「辛かったはずの体験を無駄にしない」「人間にとってほんとうにだいじなのは愛情なのだ」と語りました。また、小説は個人的営為であるにもかかわらず「よき特質を持ちよって啓発し地歩を得るために」集団のなかでこそ自分が育ち、育てられるとも考えていたと紹介。

「一九三七年、四十五歳で亡くなった鳥子が、もし戦後まで生きていたら、宮本百合子の呼びかけに真っ先に賛同し、婦民に加盟して旗を高く掲げて奮闘していたはず」と結びました。

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