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第1236号

2007年5月30日(水曜日)発行

生活保護の老齢加算カットは違法
生存権裁判に支援を
共にたたかう全国連絡会結成


生存権裁判の原告たち

生存権裁判を支援する全国連絡会の結成総会が五月十九日、東京・新宿区の日本青年館で開かれました。

生活保護法は憲法二十五条の理念(生存権、国の生存権保障義務)に基づいて一九五〇年に作られましたが、二〇〇三年四月、生活保護基準が〇・九%削減されました。さらに老齢加算も廃止され、母子加算も段階的削減・廃止が実施されました。その取り消しを求めて現在、八都府県(東京・京都・秋田・広島・新潟・福岡・青森・兵庫)の百八人(内三人は母子加算)が提訴しています。この生存権裁判を支援するために全国連絡会の結成がよびかけられたものです。

この日、よびかけ人の一人、新井章弁護士が生存権裁判の今日的意義について講演しました。


新井章弁護士

新井弁護士は「貧困はゆがんだ社会が生み出した不幸な結果であって、自己責任ではない」と強調。たたかいの争点として二つのポイントを示しました。

一つは生活保護法五十六条違反、二つめは同法三条と九条違反。五十六条は正当な理由がなければ、すでに受けている保護費を不利益に変更されないと定められている「不利益変更の禁止」。老齢加算は一九六〇年に国民の運動の結果できた加算(約二万円)。体力の弱った七十歳以上の高齢者は消化のよい食物や保健衛生費、暖房費、葬祭等の交際費が必要として支給されてきたものです。

生活保護法三条は「最低生活」として健康で文化的な生活水準の維持を定め、九条は「必要即応の原則」として、年齢・性別・健康状態などを考慮して有効・適切にと定めています。

「これらの条文の背景にある憲法二十五条は、戦争放棄の九条と共に世界に誇れる条文です。これを武器として生存権裁判をたたかいます」と新井弁護士は明快にのべました。

集会は、連帯のあいさつや各地の原告の紹介のあと会長に小川政亮さん(全国老人福祉問題研究会名誉会長・日本社会事業大学名誉教授)を拍手で選出して終わりました。

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