第1213号
2006年9月20日(水曜日)発行
五人に一人の賛成で
憲法は国民の過半数の承認があった時に改正されることになっています。法案はこの「過半数」を、無効票や白票を除いた「有効投票」の過半数とし、国民の承認を得るためのハードルを低くおさえています。
しかし、正確に民意を反映するためには「全有権者」の過半数とする必要があります。たとえば投票率が四五%で、そのうちの有効投票率が八五%とすると過半数は約二〇%。有効投票の過半数では有権者の二〇%の賛成で改憲が実施されてしまいます。
与党が国民投票法案を「日本国憲法の改正手続法案」の名称で国会に提出した同じ日、民主党も対案を提出しました。両法案は、国民投票そのものの手続きだけではなく、国会法を改正して両院に「憲法審査会」を設け、憲法改正原案の審議、作成を行なうことをも盛り込んでいます。法案が成立した場合、次の国会から、改憲案を論議するための常設機関として「憲法審査会」を設置しようというのです。しかもその審査会は、会期中、閉会中を問わず、改憲案の審査ができるものとされています。
国民投票法案を通してしまったら、憲法「改正」への行程はすぐ目の前です。私たち自由法曹団では、一人でも多くの人々にこの法案の危険性を知らせるために「国民投票法反対読本」のリーフを作って広めています。連絡TEL03(3814)3971。