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第1189号

2005年12月20日(火曜日)発行

非戦を選ぶ演劇人の会

朗読劇 平和を選び取るために

 「非戦を選ぶ演劇人の会」(実行委員・永井愛さん、渡辺えり子さんら二十八人)による第八回のピースリーディング(朗読劇)「未来へ」が、12月8日、東京・なかのZERO西館で開かれ、あふれるばかりの約五百人が参加しました。

 「非戦を選ぶ演劇人の会」は、2003年2月、アメリカのイラク攻撃に反対して発足した会です。以来三年、「舞台表現」を通して戦争を考え、非戦を訴える活動を続けてきました。

 この日は、第一部が、リーディング「イラク・パレスチナ」(台本構成=篠原久美子・関根信一)、二つのドキュメンタリー映画『ファルージャからの証言』(制作=アル・キターフ芸術プロダクション)、『ガーダ〜パレスチナの詩』(古居みずえ監督)の一部上映、相澤恭行さん(PEACE ON)、渡邉修孝さん(米兵・自衛官人権ホットライン)のイラク報告。第二部がリーディング「日本の戦争」(台本構成・渡辺えり子)と盛りだくさんのプログラム。


リーディング「日本の戦争」中央が渡辺えり子さん

 岸田今日子さんの静かな呼びかけで始まる冒頭のリーディングは、イラク戦争とは何かを問い、ファルージャの大虐殺の隠された現実を明らかにし、パレスチナに目を移して、終わることのないイスラエルの報復攻撃にさらされる子どもたちの日常が語られます。

 圧巻だったのは、渡辺えり子さん、麻丘めぐみさん、根岸季衣さんなど、たくさんの俳優たちによるリーディング「日本の戦争」。1941年12月8日早朝の臨時ニュースで始まるアジア太平洋戦争。マレー上陸、真珠湾攻撃から、東京大空襲、沖縄の悲劇、広島・長崎への原爆投下と、破局に到る「日本の戦争」を、少年の日記や証言を交えて語り進めます。そして戦後、日本国憲法の制定。基本的人権・国民主権・戦争放棄などの憲法の原則が高らかに語られます。

 「かつてキング牧師が語った『一番の罪は善意の人の無関心である』という言葉が私の頭から離れません。手遅れになる前に、今は、どんな小さい力でもできるだけのことを発言し、愚かな戦争をくい止めたいと願っているのです」

 渡辺えり子さんのメッセージです。

妻を介護した28年 (第40回)

車いすで住みやすい家を
分譲住宅を申し込む

 リハビリ訓練のほかに留置カテーテルを使わないで自力で排尿ができるようにと、いろんなことをしましたが、成功しませんでした。転院して一年半もすると、それまでのような大きな進歩がみられなくなりました。

  娘は妻の発病直後に幼稚園に入園し、二年課程を修了し、小学校への入学が近づいていました。リハビリ訓練の状況と娘のことから、退院する時期が近づいていると思いました。

  その頃、私の勤める学校から車で十分ぐらいのところに、県の住宅供給公社が団地を造成し、分譲住宅の購入者を募集していました。私は、これまでのようなアパートでは車椅子の生活はできないと思っていたので、土曜日に妻と焼肉店に行く以外は、できるだけ出費を押さえ、お金を貯めていました。私が住宅の購入について妻に相談すると、妻は「そんなお金があるの」と不思議そうな顔をしていました。私が「入院以来、徹底してお金を使わないようにしてきたからね」と笑っていうと、妻は「パパは何でもやりだしたら徹底しているからね」と笑っていました。この団地の住宅を申し込むことにしました。購入価格は約一千万円、そのうち四百万円は購入時に支払い、残りは住宅金融公庫のローンでした。


私の家

  妻が車椅子でしたので、道路との高低の少ない、競争率の低いところを選んで申し込みました。抽せんにより購入が決定しました。

  購入者に対して、分譲規定についての説明会がありました。住宅はいくつかの型があり、その中から選ぶこと、和室にするか洋室にするか、便器の型はどうするか、玄関の型は……などについては選択できるが、設計変更はできないとの説明がありました。

  設計変更ができないとすると、妻のような障害者の場合は、完成した住宅を受けとり、それから、障害者が生活するのに、どうしても必要なところは壊して作りなおす他ありません。いかにも不合理な話です。

  私はこの件については公社と話し合う必要があると思いました。

豊島和夫(岐阜 元高校教諭)

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