第1187号
2005年11月30日発行
ひとりぼっちの高齢者をなくそう
くらしと平和を守る力を広げて
第十九回日本高齢者大会が十一月十五日と十六日、神戸市内で開かれました。一日目の全体会はポートアイランドのワールド記念ホールに全国各地から四千人が集まりました。阪神・淡路大震災十年目、非核神戸方式で核兵器積載艦船の入港を拒否して三十年目の神戸で、戦争体験のある高齢者が、憲法改悪は許さない、増税反対、安心の医療と年金を、介護保険制度の改善をと語り合いました。
一日目、全体会のオープニングは九十人の合唱団、非核神戸方式の歌「波よひろがれ」や幻の国歌「われら愛す」など。歓迎のあいさつは兵庫県実行委員長の西岡幸利さん。七月の兵庫県知事選、八月の衆院選、十月の神戸市長選という大きな政治日程を乗り切って「二百人以上の要員を含め二千人の参加目標を達成」と報告、「国連・高齢者問題国際行動計画」の中の一項目「われわれは経済的な障害を克服し、高齢者のみならず、すべての人々のための利益をめざして、今こそ行動すべきである」を引用して決意をのべ、大きな拍手をあびました。
主催者あいさつは高齢者大会中央実行委員長の森信幸さんから。「隣りの京都で日米首脳会談が行なわれ(十六日)、在日米軍再編や基地強化が語られている日に、平和とくらしを守る高齢者大会が神戸で開かれる」という歴史的な一日を強調、「今こそ戦前戦後を生き抜いた高齢者の出番」と強く訴えました。
来賓のあいさつ、国連・高齢者プログラムほかメッセージの紹介とつづき、基調報告は兵庫県実行委員会の白井篤子事務局長。厳しい情勢下の高齢期運動の課題と輝かしい高齢期への確信を報告しました。
各地の活動をまとめた構成詩「輝け高齢期 輝け憲法」は五人の朗読で。つづいての報告は阪神・淡路大震災後十年の高齢者のくらしの実態(被災者ネットワークの安田秋成代表)と、非核神戸方式の平和運動(兵庫県原水協の梶本修史事務局長)。
文化行事は「灘の酒造り唄」と平均年齢六十二歳のアマチュア・ジャズバンド「ザ・ビッグ・ディッパーズ」の九人の見事な演奏。
記念講演は、直木賞作家で日本放送作家協会関西支部長の藤本義一さん。社会福祉法人「のぞみ会」浜風の家理事長でもあります。
十年前の阪神・淡路大震災の時は洋服ダンスの下敷きになったそうです。コート掛けの鋭いフックが枕を突き破ってベッドに突き刺さり、3cmの差で頭骸骨の粉砕を免れたとのこと。軽妙な語り口には笑い声が絶えませんでした。
「憲法九条を守り抜く」など五つの特別決議とアピールを採択して全体会を終了しました。
二日目には20テーマの分科会と学習講座や専門講座が開かれました。
各地から婦民会員も多数参加しました。
非核神戸方式の歌「波よひろがれ」など合唱
灘の酒造り唄
ワールド記念ホールに全国から4000人
橋ものがたり
X字型橋で見る水の十字路
東京・江東 クローバー橋
クローバー形の橋灯
クローバー橋の名にひかれ、江東の水路の交差点を訪ねました。小名木川と横十間川が交差する水の十字路にX字型に架かる珍しい形の人道橋が、正式名小名木川クローバー橋です。
猿江、大島、北砂、扇橋の四つの地点を結ぶ生活橋として一九九四年十二月に完成しました。歩行者と自転車専用の橋で、買い物や散歩、通学の人びとが行きかっていました。橋の上から四方の水路を眺める人の姿もあります。
橋の四つの出入口には両側に四ツ葉のクローバーを連想させる橋灯が建っています。夕方になると明かりが灯り、X字型の橋が青く浮かび上がる仕組みです。ただし、その姿は空から、または近くの高層ビルからしか見られません。
クローバー橋の真ん中に四ツ葉のクローバーの絵が描いてあるので、しばしばドラマのロケ地としても利用されるそうです。
小名木川は慶長年間(一五九六〜一六一四)に整備されたと伝えられる隅田川と旧中川を結ぶ水路です。行徳の塩を江戸に運ぶために建設されました。
交差する横十間川は万治二(一六五九)年に開削、横川の東にあり川幅十間なので横十間川の名がつきました。横十間川の両岸の一部は遊歩道があり、魚やカニも見えました。親水公園では和船体験(日曜のみ)や水上アスレチックも。
クローバー橋から小名木川の西側に扇橋閘門を見ることが出来ます。これは小名木川の東と西の水位差を調節するもので、小さくてもパナマ運河方式です。
季節によっては水上バスが運行され、扇橋閘門を通るコースもあるとか。江東運河の今昔に思いを馳せつつ帰路に着きました
(悠)