主張・見解
教育予算を増やし、高等教育無償化へ
婦民新聞第1840号(2026年9月20日号)より
現在の国立大学の入学金は28万2000円、授業料は53万5800円(標準額)と高騰しています。一方、国から大学への補助金である運営費交付金は、毎年1%ずつ減らされた結果、教育研究に要する諸費用がまかなえなくなり、必要な機材の購入にも事欠く状況です。
日本の教育に対する公的支出は国際的に見ても最低レベルです。高等教育支出は、GDP比でOECD諸国の平均3%に対して日本は1.7%しかありません。学生の生活を支える修学支援制度も劣悪です。奨学金の貸与人員・総額ともこの10年間で減少し、しかも有利子奨学金の割合が半分以上です。
8月29日、中央大学で行われた「大学の学費問題を考えるシンポジウム」でも、現役の大学生や大学院生から、苦しい現状と、その中で対抗運動をつくっていることが報告されました。授業料に加え、学生寮の料金値上げにも反対の声が次々上がっています。
学生は「受益者」ではありません。憲法第26条が定めるとおり、「すべての国民は、…その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する」のです。実際には、大学予算に占める授業料の割合は小さく、学費値上げによって経営が改善する見通しはほとんどありません。
中等・高等教育の「漸進的無償化」を世界に約束したのですから、社会全体の問題として、すでに困窮している学生にいっそうの負担を強いるのではなく、教育予算を増やし、高等教育無償化へと実際に舵を切る政治へと変えていかなくてはなりません。

