主張・見解
暮らしのすみずみに憲法を生かそう
婦民新聞第1836号(2026年7月30日号)より
2013年から15年に行われた生活保護費の減額は不当としてたたかった裁判で、25年6月に最高裁判所が「違法」との判決を下したことで、追加給付が行われています。しかし、政府・厚労省は、謝罪どころか専門員会を設置し、基準の「再改定」で減額された金額の半分程度しか補償しないとしました。生活保護利用者は、食事や入浴回数といった生活の基本にかかわるところを削らざるを得ない実態が続いています。
今年の全国の熱中症搬送者は、7月13〜19日の1週間で1万人を超え、過去最高だった昨年の10万人を超えるといわれています。発生場所で一番多いのは、住居・屋内です。政府・自治体は、エアコンの使用をと広報していますが、エアコンは、生活保護利用者やわずかな年金の高齢者にとっては容易な買い物ではありません。エアコンがあっても電気代の心配もあります。東京都観察医務院によると、昨年、屋内で亡くなった人の8割が、エアコンがないか未使用だったと報告されています。東京のある自治体では、生活保護利用者、非課税世帯で、エアコンがない、あっても10年過ぎている場合、10万円の範囲で設置・買い替えを行っています。長年酷暑対策として住民が運動してきたことがようやくいくつかの自治体で実現しました。このような運動をさらに広げていかなければなりません。
憲法25条2項は、「国はすべての生活部面について、社会福祉、生活保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」です。暮らしのすみずみに憲法が生きる政治を求めていきましょう。

