主張・見解
「国旗損壊罪」法案に断固反対しよう
婦民新聞第1832号(2026年6月20日号)より
6月9日、自民党は「国旗損壊罪」について、プロジェクトチームで検討してきた法案を了承しました。日本維新の会との連立政権合意に基づく法案で、今国会での成立をめざしています。
同法案では、人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で公然と国旗を損壊、除去、汚染した者は、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すとしています。自ら国旗を損壊している状況を撮影し、映像を不特定多数に提供、公開した場合も同様に処罰するものです。
目的は「国旗を大切に思う国民感情」の保護ですが、国旗の損壊は、現在の刑法でも器物損壊罪で処罰されうるため、法律の必要性・正当性を裏付ける立法事実がありません。また罰則を科す法律の制定には、慎重でなければなりません。
「憲法で保障された表現の自由を不当に侵害しないよう留意しなければならない」との記述はありますが、具体例は明記されていません。スポーツの日本代表チームを応援する国旗への寄せ書き等や、アニメやゲーム、映画などの創作物は対象外と想定するものの、実物国旗を用いた芸術的表現には、「社会通念上、相当と認められるもの」のみを対象外とするなど、きわめてあいまいです。
国旗損壊罪の新設は、政府にとって望ましい思想・価値観を国民に強制することにつながり、戦前の思想統制で戦争に突き進んだ歴史を想起させます。
憲法が保障する表現の自由や思想・良心の自由を侵害する「国旗損壊罪」の成立に断固反対していきます。

