主張・見解
えん罪被害者を真に救える再審法改正を
婦民新聞第1831号(2026年6月10日号)より
袴田事件の再審無罪を通じて再審制度の見直しが大きな世論になり、前国会では超党派の議員立法案が出されていました。解散総選挙後の法制審による再審制度の諮問案を軸にした政府の改定案が今国会に出され、日本共産党、中道改革連合、チームみらいの3党が共同提出した対案と同時に審議されています。この対案は、検察官抗告を例外なく全面禁止。再審請求審で裁判所が検察に証拠開示を命じる規定を盛り込んでいて、昨年の超党派議連の改正案が基になっています。
政府案の問題点は、検察官抗告を「原則禁止」とし、例外を設けたこと、証拠開示の範囲は「再審請求理由に関連するもの」に限定し、証拠を支援者や報道機関に提供することを罰則付きで禁じる規定も設けていることです。これはえん罪被害者救済に逆行しています。超党派議連の議員を中心に、自民党内からも法務省案に猛烈な批判が続いています。証拠物は、検察や警察によって税金を使って収集されたもので、国民の共有財産といえます。全面開示が当然です。
大崎事件では、再審の請求審で裁判所の命令によって出された証拠の開示で、再審決定がされました。検察官の抗告が再審の扉を閉じてきたことは明白で、40年から50年も再審を求め続けさせるなど、基本的人権を侵害するものです。
えん罪は、特別不運な人の事件ではなく、誰でも犯罪者にさせられてしまうということです。国民世論を今こそ大きく広げ、えん罪被害者を真に救える再審法改正を勝ち取りましょう。

