主張・見解
国際会議宣言(要旨)
婦民新聞第1808号(08月20日・30日合併号)より
アメリカ軍が広島と長崎に原子爆弾を投下してから80年目をむかえる。
いまこそ、世界は核兵器の廃絶を決断し、行動すべきである。
原子爆弾は、二つの都市を瞬時に焼き尽くし、その年の末までに21万人の命を奪った。
「この世の地獄」は続き、被爆者は愛する者を奪われた深い悲しみとともに、原爆の後遺症に苦しみ、差別と偏見、経済的な困難を強いられた。
地球のいかなる地にも、この悲劇を決して繰り返してはならない―この決意こそが戦後政治の原点であった。
度重なる核戦争の危機でも、核使用の手を抑えてきたのは、被爆者の証言と、それに鼓舞された世界の市民の声と行動であった。
日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞は、その歴史的貢献を称え、励ますものである。
私たちは今、再び核使用の危険に直面している。ウクライナ侵略をつづけるロシアの核威嚇、イスラエルとアメリカによるイランの核関連施設への先制攻撃など、深刻な事態が進行している。
核使用を阻止し、核兵器廃絶へ前進するうえで、「核抑止」論の克服がいっそう重要となっている。
「核抑止」は、核攻撃による破滅的な結末、ヒロシマ・ナガサキの再現を前提にした政策であり、人道的、道義的に決して許されない。
この政策の放棄を、核保有国とその同盟国に強く求める。
核兵器禁止条約は、73カ国が批准し、94カ国が署名する国際的な規範となりつつある。
この条約を生み出した被爆者を先頭とする市民社会と諸国政府との共同こそが、世界の本流である。
禁止条約支持への世論をひろげ、参加国を拡大することが急務である。
日本は唯一の戦争被爆国であるとともに、侵略戦争の反省の上につくられた平和原則を憲法に明記する国である。
私たちは、核戦争阻止と核兵器廃絶を求める壮大な行動を展開するよう世界によびかける。
ヒロシマ・ナガサキの被爆の体験と実相を受け継ぎ、広げることを運動の中心にすえて、核兵器廃絶を共通課題とする行動を世界各地で多様にくりひろげよう。
核兵器禁止条約への参加を求める世論と運動を各国で発展させよう。
平和と軍縮を求める様々な運動と連帯して、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす世界的な流れを発展させよう。
ジェンダー平等を平和と核軍縮に不可欠の課題としてとりくもう。
環境と気候危機、貧困と格差、差別と排外主義、人権と民主主義などの課題にとりくむ運動との連帯と共同を発展させよう。
2025年8月4日
原水爆禁止世界大会―国際会議