主張・見解
「原発回帰」反対!美浜原発新設は撤回せよ
婦民新聞第1807号(08月10日号)より
関西電力が新たな原発の建設へ向け、美浜原発(福井県)の敷地内で地質調査を行う方針を表明しました。
同原発は1、2号機が老朽化から廃炉となっていますが、約50年経った3号機が稼働中です。
2011年の東京電力福島第一原発事故後、新設計画は初めてです。
この関電の動きは、国の「原発回帰」によるものです。
本年2月に決定した第7次エネルギー基本計画では、原発への依存度についてそれまでの「可能な限り低減する」との文言を削除し、原発の「最大限活用」を明確にしました。
そして現在、電源構成の10%に満たない原発比率を40年度には2割程度に倍増し、60年超運転も可能とし、さらに新増設の必要性にまで踏み込んだのです。
新設には、兆円単位の巨費がかかります。
国は建設費を電気料金に転嫁できる支援策導入も検討中で、国民につけを回そうとしています。
また使用済み燃料処理も、高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場も選定のめどが立たない中で、推進ありきなど許されないことです。
日本中のどこにいても、いったん原発事故が起きたら安全に逃れることはできません。
福島の悲劇を私たちは決して忘れません。原発事故の大惨事を経験した国が、山積した問題を置き去りにしたまま新増設を進め、この先何十年も原発を使い続けることは未来に禍根を残します。
関電は原発新設計画を撤回すべきです。
私たちは将来を見据えて、すべての原発の廃炉と再生可能エネルギーへの転換をいっそう強く求めます。