主張・見解
迎春
憲法が生きる社会の実現を
婦人民主クラブ会長 山田 博子
婦民新聞第1788号(2025年01月01日)より
戦後80年、広島長崎被爆80年にあたり、戦争も核兵器の脅威もない平和な世界へ力を合わせ進んでいきたいと思います。
ロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザへの大殺戮はとどまることがありません。
そして世界は、ロシアとイスラエルによる核兵器使用の威嚇に脅かされています。
核戦争の瀬戸際に立たされているといわれています。
核抑止こそ安全保障だと核兵器が正当化される中、昨年10月、ノーベル平和委員会は日本被団協にノーベル平和賞を授与しました。
被爆者が日本被団協を結成し、「二度と被爆者をつくらせない」と声をあげ行動してきたことが、これまで核兵器の使用をとどめてきたと評価されたのです。
「被爆者とともに核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶」を掲げ行動してきた草の根の運動への大きな励ましにもなりました。
アジア太平洋戦争の反省と原爆の犠牲の上にできた日本国憲法を守り、広げることこそ戦争被爆国日本の役割です。
日本被団協ノーベル平和賞受賞のニュースは若い人たちの共感を呼び、「今度は私たちが」と未来へ向かって行動しようしていることは希望です。
厳しい冬の間にもやがてくる春のために準備している生き物たち。平和であればこそと思います。
今、私たちを取り巻く状況は、憲法違反の集団的自衛権行使容認を盛り込んだ安保法制、そして「安保3文書」により、日米軍事同盟が強化されるもとで、戦争する国へと変貌しています。
2025年度予算案の軍事費は8・0兆円にのぼり、それには軍事産業への巨額の支出も含まれています。
沖縄南西諸島へのミサイル配備、全国の自衛隊基地強靭化などが急速に進められています。
さらに食料自給率を38%まで落ち込ませた農政や、再生可能エネルギーよりも原発再稼働・新増設に力をいれる政策など、私たちの暮らしと平和をないがしろにし、安心安全の生活を奪っています。
このような逆立ちした政治の転換が切実に求められています。
新しい年を迎え、憲法が生きる社会の実現をめざして、ご一緒に力を合わせてまいりましょう。