主張・見解
ジェンダー平等・人権擁護をさらに前へ
婦民新聞第1787号(2024年12月20日)より
12月3日、英BBC放送が発表した、社会に影響を与えた「100人の女性」2024年版に、2人の日本人女性が選ばれていたとの新聞報道がありました。
1人は渡辺直美さんで、日本で新世代の女性コメディアンの道を切り開き、女性の容姿に対する固定観念を変えることにも貢献。
もう1人は、旧優生保護法の下で不妊手術を強制され、国に損害賠償を求めた訴訟で、勝訴した鈴木由美さんです。
2人に共通していることは、人間としての尊厳・平等・人権を守ることに、果敢に挑んできたことです。
とりわけ、鈴木さんは、先天性の脳性まひで障害があり、12歳で子宮摘出手術を受けさせられたのです。
7月に最高裁は国の賠償責任を認め、鈴木さんら原告団が勝訴しました。
旧優生保護法は、1948年に成立し1996年まで施行されていました。
それは優生思想に基づき遺伝性の疾患や知的障害、精神障害などがある人に対して、本人の同意がなくても強制的に不妊手術ができることを認めた法律でした。
憲法13条・14条にも反するものです。
この法律のもとで心身ともに傷つけられてきた、鈴木さんたち当事者や女性たちの運動、国際社会の人権擁護の高まりのなかで、優生保護法は改正され、母体保護法と名称を変えて今日に至りますが、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点が欠けていると指摘されています。
「産む・産まないも私自身が決める」という女性の自己決定権確立へ向け、さらに世論を広めていきましょう。