主張・見解
国連勧告を力にジェンダー平等の法改正を
婦民新聞第1785号(2024年11月30日)より
10月、ジュネーブにおいて国連女性差別撤廃委員会の第9回日本報告審議が8年ぶりに行われました。
10月末には「総括所見」が出され、60項目にわたる指摘がされました。
日本政府の報告では、女性差別撤廃条約の選択議定書について「諸課題の整理を含め、早期締結への真剣な検討を進める」と、この20年言い続けてきた同じことを繰り返しました。
委員会からも「時間がかかり過ぎている」と苦言を呈されています。
婦団連を含む39団体で構成する「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」は、各女性団体が作成したカウンターレポートを事前に提出し、現地でも委員に直接訴えました。
今回の「総括所見」で出された勧告は、カウンターレポートに添った内容となりました。
4度目の勧告となった選択的夫婦別姓制度を実現するための民法改正、個人通報制度と調査制度を使えるようにする選択議定書の批准、女性の低年金にもつながる男女賃金格差をなくす政策、独立した国内人権機関や女性問題についての専門の省がないことなど、多岐にわたって遅れが指摘され、法改正や新たな政策が必要であるとしました。
また沖縄での米兵による性暴力の問題に初めて言及し、性暴力防止、加害者の処罰、被害者への支援体制の充実などが勧告されました。
今後は、この勧告を大いに学び、総選挙でつくられた国会での変化を生かして、選択議定書の批准、勧告の内容に沿った法改正等を政府に迫りましょう。