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主張・見解

現行の健康保険証の廃止を撤回せよ

婦民新聞第1780号(2024年9月30日号)より

 現行の紙の健康保険証の新規発行が12月2日で終了と政府の宣伝が強まり、患者・国民の間に不安が広がっています。

 保険証の新規発行は終了しますが、現在使用している保険証は有効期限までそのまま使えます(最大1年間)。

 政府は、保険証の有効期限が切れても、マイナ保険証を持っていない人に、保険証に代わるものとして「資格確認書(有効期限最大5年)」を全員に交付するとしています。

 また医療機関の窓口でのマイナ保険証読み取りトラブルなどに備え、現行保険証の持参・提示、または別途発行する「資格情報のお知らせ」を提示するよう求めています。

 マイナ保険証の利用率はわずか11%(7月)です。利用率は微増ですが、全国保険医団体連合会の調査(9月)では、昨年と比べ、医療機関でのトラブルが10%増となり、有効期限切れ受診が20%で急増が懸念されます。

 マイナ保険証の取得・利用を強制することでトラブルは増加するばかりです。

 さらに「資格確認書」「資格情報のお知らせ」の発行などは保険者の負担を増大させています。

 保険証廃止に伴う、さまざまな負担、リスクなどの指摘や廃止反対の声をうけ、自民党総裁選でも一部の候補から廃止先延ばしの声が出たほどです。

 現行の公的医療保険制度のもとでは、保険証を発行・交付する責任は、国・保険者にあります。

 それを揺るがすことはできません。

 停電時にも使え、5年に1回の更新手続きも必要のない保険証の廃止を撤回し、保険証を残すことを強く求めます。

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