主張・見解
地震大国・日本に原発はいらない
婦民新聞第1761号(2024年02月20日号)より
東京電力福島第一原発事故から十三年が経とうとしています。
いまだ故郷に戻れない人は福島県の調べでは二万六千六百九人、自主避難者を含めると五万人、生業を取り戻せない人々がたくさんいます。(二〇二三年十一月一日現在)
岸田政権は昨年GX法(脱炭素電源法等)を成立させ、「原発回帰」へと突き進んでいます。
さらに、福島第一原発の廃炉のため、増大する汚染水の海洋放出まで強行しました。
国も東電も処理水は「安全」と言い続けていますが、どのような影響が出るのかも皆目わからない状況です。
ALPS処理水は地下水の流入で汚染水が増え続けます。
新たな汚染水を抑えるためには、地質・地下水の専門家たちが提言する抜本的対策を講じることが必要です。
今回、能登半島地震で震源に近い北陸電力志賀原発は、外部電源の一部喪失や核燃料プールの水漏れなど、様々な損傷や影響が報告されました。
原子力災害対策指針や避難計画も機能しないことが明らかになりました。
しかし政府は、原発の危険性を直視することなく、使い続けようとしています。
日本原子力産業協会から自民党の政治資金団体「国民政治協会」への献金額は、十年間で七十億円を超えており、「既存原発の早期再稼働や新増設を」の要求を政府は丸のみにしています。
多額の献金が政治をゆがめている一例です。国民のいのちや健康、財産よりも原発を優先しているのです。
「地震大国・日本に原発はいらない」の運動をさらに強めていきましょう。