主張・見解
南西諸島で進む軍拡 日本を戦場にするな
婦民新聞第1755号(2023年12月10日号)より
二〇一五年の安保法制強行に続き、二二年の安保三文書で基地強化が一気に進みました。
馬毛島の米軍施設建設が問題になり始めた時、南西諸島の自衛隊基地強靭化も同時に進んでいました。
奄美大島では、町有地が買収され、新基地が作られました。
南西諸島は九州南端から台湾北東端に弧状に続く島々の総称で、その中の与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島内のうるま市、奄美大島に陸上自衛隊のミサイル(誘導弾)部隊が配備されます。
うるま市を除いて、他の四か所は新基地を建設して配備するというものです。
二一年に世界自然遺産に登録された奄美大島では、奄美駐屯地と瀬戸内分屯地が一九年に同時開設しました。
天空の基地と言われ、広大な敷地にミサイル部隊が配備されています。
アマミノクロウサギの生息地であるため、住民団体が保護を求めましたが、十一匹いたと報告されただけでした。
しかも基地建設の住民説明会は一回だけで、建設が強行されました。
徳之島では十一月に島中で自衛隊演習が行われ、島民が「戦争するつもりなのか」と恐怖を感じたそうです。
南西諸島では粘り強い反対運動が行われています。
日米地位協定の改定を求める意見書は、当時の翁長沖縄県知事の提案で全国知事会が全会一致で採択しています。
今年の日本平和大会が鹿児島で開かれたのは、時宜に適っていました。
軍拡を許さず、沖縄も鹿児島も、日本のどこもふたたび戦場にしない決意を固めましょう。