主張・見解
女性に対するあらゆる暴力をなくそう
婦民新聞第1754号(2023年11月30日号)より
十一月二十五日は、女性に対する暴力撤廃国際デーです。
また二十五日から十二月十日の世界人権デーまでの十六日間は「性差別による暴力廃絶活動の16日間」とされています。
女性に対する最大の暴力は、戦争・紛争です。戦争で犠牲になるのは戦闘員だけでなく女性や子どもなどの一般市民です。
また戦時性暴力も多数報告されています。
一方、非戦闘時でも女性を苦しめる暴力はあとを絶ちません。
旧ジャニーズ事件は多くのことを提起しています。性暴力の対象は女性だけでなく、未成年など立場の弱い者を対象にしていることが明らかになりました。
また芸能界やテレビなどのメディアがまるごと「汚染」され、一体となって隠蔽・加担してきた「権力的、構造的」問題であることも明らかになりました。
メディアの「性暴力容認・黙認体質と隠蔽体質」は伊藤詩織事件、黒岩祐治神奈川県知事の不倫、三宅伸吾防衛政務官のセクハラなどの事例を見ても明らかで、男女を問いません。
さらに公然売買春と言えるアダルトビデオを合法化していることも問題です。
こうした問題の背景には、男性優位の家父長制を引きずった人間関係性のゆがみや、人権意識の低さがあります。芸能界・メディアがその責任を認識し、真摯に再発防止に取り組むことが求められています。
今年六月の刑法改正では性犯罪の関係が大幅に改善されましたがまだ十分ではありません。性暴力やDVなど女性への暴力を廃絶し、個人の尊厳や人権を守り、支え合える社会をつくりましょう。