主張・見解
大阪・関西万博は直ちに中止せよ!
婦民新聞第1753号(2023年11月10・20日合併号)より
二〇二五年開催予定の大阪・関西万博建設費が増え続けています。
万博協会は十九年一月の当初、千二百五十億円と公表しましたが、二〇年十二月、設計変更や暑さ対策などを理由に千八百五十億円に増額しました。
当時、吉村洋文大阪府知事は「コストをあげるのはこれが最後」と言い切りました。
しかし今回、資材価格や人件費高騰を理由に、五百億円上乗せの二千三百五十億円にすることを明らかにしました。当初予算の一・九倍です。
費用は国、大阪府・市、経済界の三者で等分するルールです。政府は開会中の臨時国会で、増額分を盛り込んだ補正予算案を提出する方針です。膨らむ費用を賄う原資は国民の税金です。国民の四人に三人は「納得できない」と答えています。
さらに、チケット代などで賄うはずの運営費も当初予算では収まらないとして警備費など二百億円規模の負担をすると政府は表明しました。
直近の共同通信世論調査では、関西万博の開催は「不要だ」が六八・六%に達しています。 問題はまだあります。
開催される大阪夢洲は万博後、カジノを中心とするIR(統合型リゾート)の予定地となります。
万博の跡地に賭博場が入るという仕組みです。
しかも人工島である夢洲は地盤沈下と土壌汚染が著しくインフラ整備を含めると一兆円を超える費用が必要だといわれています。
ジャーナリストの青木理氏は「カジノの露払いみたいな万博」と批判しています。
これだけの問題を持つ大阪・関西万博とギャンブル汚染の蔓延をもたらすカジノ誘致は直ちに中止すべきです。