主張・見解
政府は学術会議法「改正」を断念せよ
婦民新聞第1736号(2023年4月30日号)より
政府は、四月二十日、「日本学術会議法改正案」の今国会提出を見送りました。
昨年十二月に政府が示した「日本学術会議法改正案」について、学術会議は再三懸念を表明してきましたが、政府はそれには全く応えず、四月十八日、学術会議総会への法案説明となりました。
「改正」案には、会員の選考に「選考諮問委員会」を設置して、その意見を尊重すること、学術会議の組織のあり方を見直していくこと等が盛り込まれています。
学術会議総会では、政府の「改正」案に対し、「学術会議の独立性を毀損するもので到底受け入れられない」との意見が続出し、「拙速な法改正をせず、議論の場を設けることを求める」との政府への勧告を全会一致で議決し、国民に向けての声明も発表しました。海外からも改悪を危惧する多くの声が上がっています。
しかし政府は「今の政府案や民間法人とする案をしっかり俎上に載せ議論をすすめたい」と今も改悪を諦めていません。政府は法案提出を断念するとともに、六名の会員任命拒否を撤回すべきです。
改悪のねらいは、研究機関や学術界を軍事のために利用することにあります。軍事に加担した歴史の反省のうえに学術会議が設立されたことを忘れてはなりません。
婦人民主クラブは、幅広い共同の力で世論を喚起し、学術会議の独立性を守り、日本学術会議法の改悪を許さず、たたかっていく決意です。
二〇二三年四月二十三日
婦人民主クラブ常任委員会