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主張・見解

健康保険証廃止法案の撤回を求める

婦民新聞第1734号(2023年4月10日号)より

 政府は、四月一日から全医療機関にマイナンバーカードに保険証機能を搭載した「マイナ保険証」の「カード読み取り機」設置を義務付けました。そしてマイナ保険証を使わない場合は、受診料を値上げするという差別的措置にまで及びました。更に、二〇二四年秋から現在の健康保険証を廃止する一括法案を、今国会に提出し、その成立を狙っています。

 そもそもマイナカードの取得は任意であり、健康保険証の廃止は、事実上マイナカード取得の義務化となり、大きな法令違反です。国民や医療従事者からの困惑と怒りの声に対し、岸田政権はマイナ保険証を持たない人には申請すれば「資格確認書」を発行すると答弁しました。現在の健康保険証には必要事項が記載され、資格確認上問題はなく、申請制にすれば対応できない弱者が増えます。

 一六年交付が始まったマイナカードは、個人情報漏出や国家による管理強化などが危惧され、必要性も低いと取得者は低迷。そこで政府は多額の税金を投入してのポイント付与なども含め、なりふりかまわぬ手段で取得を促進させてきました。カードの強制はマイナカードが国家の支配に有効だと考えているからにほかなりません。

 「保険証廃止反対」の署名は二十万筆に上りました。憲法で保障されている安心して誰もが平等に医療を受けられる体制こそ、国民が望んでいることです。二四年に目論まれている健康保険証廃止法案の撤回を求めるとともに、国民皆保険制度を守る共同のとりくみを強めていくことが重要です。

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