主張・見解
声明 安保関連三文書の改定に反対します
婦民新聞第1725号(2022年12月20日号)より
十二月十二日、自民・公明両党は「敵基地攻撃能力」保有を盛り込む安保関連三文書に合意し、十六日に閣議決定しようとしています。敵基地攻撃能力とは、「撃たれる前に敵の基地をたたく」ことができる装備を持つことです。
また海外での米軍の武力行使に参加する「存立危機事態」(集団的自衛権の行使)の可能性も排除せず、日本への武力攻撃がない段階で、相手国の領土への攻撃をする「先制攻撃」となる恐れがあります。
政府が掲げてきた「専守防衛」を投げ捨て、国際法違反の「先制攻撃」に踏み込む安全保障政策の大転換です。絶対に許すことはできません。
これは、憲法九条に掲げる「あらゆる武力による威嚇・武力の行使を行わない」という平和主義に明らかに違反します。今必要なのは、「攻められたらどうする」という議論ではなく、紛争を未然に防ぐための平和外交であり、それこそが政治の役割です。
また岸田首相は軍事費GDP比二%以上をめざし、二〇二三年度から五年間で軍事費総額を四十三兆円とし、その財源を、国民に広く負担させる大増税で賄うという方針を示しました。
国民の生活は、長引くコロナ禍の影響や物価高騰等により困難を極めています。国民の生活を守るため、賃上げや消費税減税、社会保障制度の拡充などに税金を使うべきです。
婦人民主クラブは、国民の反対の声を無視した安保関連三文書の改定に反対し、閣議決定を行わないよう強く求めます。
二〇二二年十二月十二日
婦人民主クラブ常任委員会