主張・見解
物価高の苦難から国民を救う対策急げ
婦民新聞第1716号(2022年9月10日号)より
長期化するロシアのウクライナ侵攻や、新型コロナウイルスの第七波感染の蔓延などのもと、食品の値上げが相次ぎ、物価高騰に歯止めがかかりません。この冬には、牛乳や乳製品の大幅値上げが予測され、外食産業も諸物価の値上げや人手不足等で苦境が続き、店舗削減も相次いでいます。
民間シンクタンクの調査では、政府が実施している対策を考慮しても、二二年度の食料品、エネルギー、家具、家事用品の価格上昇に伴う支出負担は、前年度に比べ一世帯当たり年間七・八万円に上ると試算しています。
深刻なのは、低所得者ほど所得に対する負担増の割合が大きいということです。試算では、年収三百万円未満の世帯で二・六%の増です。「低所得者世帯の負担増は消費税三%の引き上げに等しい」とリポートは指摘しています。
今必要なのは、大幅な賃上げです。二二年度の最低賃金引上げ目安は三・三%、平均九百六十一円で三十一円増と極めて不十分です。中小企業への賃上げ支援をはじめ、政治が責任を果たすことが急務です。
農家は米価格の暴落や資材価格の値上がりに加えて、各地で豪雨災害に苦しめられています。被災農家への支援は待ったなしです。
日銀の「異次元の金融緩和」政策の抜本的見直しで、輸入物価の上昇をおさえること、消費税を五%に減税し、インボイス制度の導入は中止するなど課題は山積です。早期に臨時国会を開き、新たな予算措置を含めた対策を審議し、決定することを強く求めていきましょう。