主張・見解
安倍元首相の「国葬」に反対します
婦民新聞第1713号(2022年7月30日号)より
七月十四日、岸田首相は記者会見で、この秋に安倍元首相の「国葬」を実施すると発表しました。「長期にわたって卓越したリーダーシップで重責を担った」、「内外からも哀悼の意が寄せられている」、「暴力に屈せず民主主義を断固守りぬく決意を示す」と「国葬」の理由を述べました。
しかし、安倍元首相は、九条改憲の旗を振り、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権の行使容認、安保法制強行など「戦争する国づくり」を進めました。さらに「桜を見る会」「森友・加計問題」「河井夫妻の政治資金問題」等の説明責任を果さず、国会での虚偽答弁、関係文書の改ざん隠ぺい等、国政を私物化し、その真相を明らかにしないなど民主主義を危機に陥れてきました。今回の銃撃事件により、改めて旧統一協会などとのつながりの問題も浮上しています。
日本国憲法の下、国葬令は一九四七年に廃止され法的根拠はありません。岸田自公政権は、「国葬」を機に国民統制を強め、憲法改悪へと突き進もうとしています。今政府がやるべきことは、コロナ禍とアベノミクスの失敗、相次ぐ物価高騰などで苦しむ国民生活への対策です。国会の承認も得ず、「国葬」に莫大な税金を使うことは許されません。
憲法第十九条に定める「思想及び良心の自由」を侵し、弔意を強制する「国葬」に、私たちは断固反対します。
二〇二二年七月二十一日
婦人民主クラブ常任委員会