主張・見解
今こそ日本政府は核兵器禁止条約批准を
婦民新聞第1703号(2022年4月10日号)より
ロシアによるウクライナ侵略が始まって一か月が経ちました。この間、無差別の破壊、殺戮が繰り返され、多くのウクライナ市民が犠牲になっています。さらにはチェルノブイリやザポロジエなどの原発施設攻撃が行われたことに世界は震撼しました。「核兵器の使用もありうる」とロシア高官が公言するなど、地球を滅ぼしかねない核戦争への脅威も高まるばかりです。
国連では二月二十八日、緊急特別会合が開かれ、圧倒的多数がロシアを糾弾し、ウクライナ侵略を国連憲章違反と断定し、「ロシア軍の即時、完全、無条件撤退を求める」決議を百四十一か国の賛成で可決しました。そして今、世界中で「侵略戦争反対」「核兵器による威嚇、原発への攻撃止めろ」の声は日々、大きく、ロシアを包囲しています。
ところが、日本ではロシアの侵略行為を口実に、安倍晋三元首相たちが「敵基地攻撃能力保有」「核兵器の共有論議」「九条改憲」等について言及していることは大問題です。なかでも「核共有」は歴代政権が認めてきた非核三原則さえ放棄しようとするもので、唯一の戦争被爆国日本で主張するなど許されるものではありません。
このような情勢下で、六月に核兵器禁止条約第一回締約国会議が開催されることは重要です。被爆国として、日本が条約への参加を求める声も高く、「日本政府に条約の署名・批准を求める」署名も四月中に政府へ向けて提出の予定です。核戦争から世界を守るために、今こそ日本政府へ条約批准を迫り、全世界で核兵器廃絶を実現させましょう。