主張・見解
主催者声明(要旨)
婦民新聞第1683号(2021年8月10日・8月20日合併号)より
核兵器禁止条約の発効という歴史的な達成をうけて開催された原水爆禁止2021年世界大会は、核兵器の完全廃絶に向けて前進する誓いを新たにしています。広島、長崎への原子爆弾投下から七十六年目、被爆者たちは、いまなおその悲劇的な体験を語り、「核兵器と人類は共存できない」と警告しています。私たちは被爆者とともに世界に訴えます。
世界には一万三千発の核弾頭が存在し、核兵器使用の危険が高まっています。核兵器の増強、開発、配備もやめるよう求めます。核兵器は史上初めて違法となりました。私たちは、諸国政府に禁止条約への支持と参加をよびかけ、その拡大のために力を尽くします。
核五大国は核不拡散条約(NPT)の核軍縮交渉義務をすみやかに履行すべきです。二〇二二年のNPT再検討会議で、これまでの会議の合意を確認、実行し、さらに前進させるよう強く求めます。
核廃絶のためには核保有国や核依存国の政治を変えることが欠かせません。禁止条約を支持する圧倒的な世論を築き、核固執の政治から脱却するときです。とりわけ被爆国日本の動向は大きな意味を持ちます。日本政府が禁止条約を支持するならば、核兵器廃絶への世界の流れを大きく後押しすることになるでしょう。私たちは、思想、信条、党派を超えて世論を広げ、今の政治を転換するために行動するよう呼びかけます。
COVID―19パンデミックの下で、多くの人々が貧困、失業などに苦しんでいます。軍事力はまったく無力です。求められているのは大幅な軍縮と紛争の平和解決、パンデミック終息と人々の命とくらしを守るために力を集中すること、そして国連憲章が目指す平和の秩序です。
私たちはコロナ禍後の「核兵器のない平和で公正な世界」をめざして以下の行動を呼びかけます。「被爆者の証言や原爆パネル展などのとりくみ」「核保有国や『核の傘』依存国の条約参加をめざす行動」「国連総会、NPT再検討会議、禁止条約締約国会議等を節目にした諸国政府と市民社会の共同」「反戦・平和の諸課題に基づく運動との共同」「『平和の波』行動の成功」
私たちは、被爆者とともに、そして未来を担う若い世代とともに、これらの行動の先頭に立つ決意を表明するものです。
二〇二一年八月二日
原水爆禁止世界大会実行委員会