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主張・見解

全国一律最賃制で誰でも最低千五百円に

婦民新聞第1682号(2021年7月30日号)より

 中央最低賃金審議会が、二〇二一年度の最低賃金について、時給を二十八円(三・一%)引き上げる目安を答申しました。

 「コロナ禍でこそ大幅引き上げを」と訴えてきた労働組合の運動を受け、〇二年度から時給方式で示すようになって以降、最大の上げ幅です。

 しかし、目安通り改定しても、全都道府県で八百円を上回るものの、全国平均は九百三十円で、労働組合が求めている「全国一律千五百円」には程遠いもので、地域間格差の解消もありません。

 最低賃金ギリギリで働く労働者の多くはエッセンシャルワーカーと呼ばれる介護や福祉、医療、小売業など社会生活基盤を支えている職種です。この間コロナ禍で、女性労働者の多数を占める非正規労働者などの失業・雇止めなどが浮き彫りになりました。最低賃金の大幅引き上げは、全労働者の賃金水準の引き上げや、男女賃金格差の改善につながり、ひいては、最低賃金で働く人たちの生活の安定、改善に欠かせません。

 全労連の最低生計調査によれば、全国どこでも千五百円以上で、地域差をつける根拠はありません。また国際的にも全国一律制が当たり前で、コロナ禍でも引き上げの方向です。

 今後、地方最賃審議会での審議が始まります。コロナ禍だからこそ目安を上回る大幅引き上げが求められています。

 合わせて、中小企業支援が重要です。業務改善助成金の拡充、社会保険料の事業主負担の減免、大企業による下請けいじめの取り締まりなど、抜本的対策が求められています。

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