主張・見解
抗議声明 高齢者医療費二倍化の実施は許さない
婦民新聞第1678号(2021年6月20日号)より
「高齢者医療費二倍化法」が六月四日参議院本会議で、自民・公明・国民・維新の賛成多数で可決・成立しました。婦人民主クラブは法案成立に断固抗議します。
「高齢者医療費二倍化法」により、医療費が一割から二割になる人は、単身で年収二百万円以上、夫婦世帯で合計年収三百二十万円以上が対象で三百七十万人が該当します。高齢者のくらしは、この間の二度の消費税増税に加え、年金の更なる引き下げ、介護保険料の大幅に値上げなどで苦しくなる一方です。
二割負担の導入で最も恐ろしいのが受診控えによる健康悪化です。婦人民主クラブも取り組んだ「七十五歳以上高齢者緊急アンケート」には、三割以上の人が、負担が増えたら「通院回数を減らす」「薬の飲み方を調整する」「食事の回数を減らす」などと回答しています。
政府が強調する「現役世代」の保険料負担の軽減は一人当たり月三十円に過ぎません。もっとも削減されるのは、国・自治体の公費負担年千百四十億円です。「全世代対応型社会保障制度改革」で世代間の対立を煽り、国民には「自助・共助」を押し付ける社会保障制度の改悪には反対です。
いま政府がやるべきことは、コロナ感染拡大で国民が苦しんでいる中でも、莫大な利益を得ている大企業や大資本に負担を求め、生活への手厚い支援、医療の拡充をすすめることです。
婦人民主クラブは、国民の生存権を脅かす悪法を阻止し、いのちとくらしを守る運動に引き続き取り組んでいくことを表明します。
二〇二一年六月七日