主張・見解
デジタル法成立に抗議し、人権侵害許さない
婦民新聞第1676号(2021年5月30日号)より
抗議声明(要旨)
五月十二日、参議院本会議において、デジタル改革関連6法案が、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。
デジタル改革関連法は、六十四本の膨大な束ね法案にもかかわらず、衆参合わせて五十数時間の審議しかせず、国民がその採否を判断する時間を与えませんでした。
同法は、行政のデジタル化を推進することにより、膨大な個人情報を収集し、大企業の儲けのために利用する仕組みを拡大するものです。個人情報コントロール権が明記されておらず、個人情報保護が後退し、プライバシー権侵害の恐れがあります。どんな自己情報が集められているかを知り、不当に使われないよう本人が関与する権利の保障が必要です。
また「国と自治体の情報システムの共同化・集約」は、これまで地方自治体が構築してきた先進的な施策や、個人情報保護制度の後退を招き、自治体の条例制定権を侵害するものです。
デジタル庁は、職員五百人のうち百人以上がIT企業からの出向で、官民癒着の新たな温床になることが危惧されます。また、マイナンバーと預貯金口座のひも付促進で、さらにプライバシー権を脅かす危険があります。
婦人民主クラブは、デジタル改革関連法の成立に断固抗議します。
私たちは、政府によるデータの恣意的濫用を許さず、個人情報のコントロール権、情報の自己決定権など、個人の権利の確立を要求して、粘り強く取組んでいくことを表明します。
二〇二一年五月二十四日