主張・見解
国民の命・くらし最優先の予算編成を!
婦民新聞第1665号(2021年1月20日号)より
新型コロナウイルス感染症が激増するなかで二〇二一年の幕が開きました。菅首相は、八日と十四日に、合わせて十一都府県を対象に新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言を発出しました。
首都圏はじめ、全国で感染爆発を引き起こし、新たに宣言を出さざるを得なくなったのは感染制御の対策を怠ってきた菅政権の失政の現れです。「GoToキャンペーン」に固執して旅行や会食を促し、専門家の勧告も無視して、人の流れを止めようとしなかったこと、さらに医療機関・検査体制の拡充はじめ、実効性のある対策を打ってこなかった政府による人災です。
コロナウイルス感染拡大の影響による解雇・雇い止めもすでに八万人を超え(七日・厚労省発表)、生活保護世帯も二か月連続で増加しています。文化庁のアンケートでは、文化芸術活動に携わる七七%の人も収入が半分以下になっています。飲食店の倒産も、既に七百八十店舗を超えました。営業存続の危機に直面する飲食店など中小・小規模事業者への直接支援の制度の大幅拡充と継続、生活に困窮する全ての人への緊急支援を政府の責任で実行させましょう。
十八日からの通常国会で審議が始まった第三次補正予算案には、懸命に奮闘する医療機関の減収補てん、PCR検査の全額国庫負担の項目もありません。一方、三千八百六十七億円の軍事費の七割以上が兵器購入の前払い経費です。感染抑止にとって不要不急の予算を変えさせ、一人も取り残さない政治を実現させる運動を広めましょう。