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主張・見解

年金裁判不当判決に屈せず運動を強めよう

婦民新聞第1656号(2020年9月30日号)より

 二〇一五年五月二十九日、「物価特例水準の解消」を口実にした二・五%の年金引き下げの決定を取り消すことを求めて、東京の原告七百二十八人が東京地方裁判所に提訴しました。九月二十三日、東京地裁はこの請求を棄却する不当判決を言い渡しました。不当判決に対して、東京原告団は直ちに控訴することを決めました。

 判決は原告が証言した高齢者の生活実態や年金引き下げによる被害について判断せずに、立法府には広範な立法裁量があると、旧態依然の判例に依拠し、国会の決定が著しく不合理であるということはできないとしました。二〇一二年の改正法は、国会の審議もせずに決められたという経過もあり、立法裁量があるとするのは、納得のいくものではありません。

 原告・弁護団は、年金引き下げは、高齢者にとって命綱である年金受給権を侵害し、憲法二十五条生存権及び二十九条の財産権、十三条の幸福追求権、さらに国連社会権規約の「後退性禁止」に違反すると主張しました。

 日本の高齢者の実態は、月額十万円にも満たない年金生活を強いられている人が四割を超えています。特に女性は、結婚・出産・子育て・介護などで働き方を変えざるを得ない実態があり、無年金・低年金の原因になっています。婦人民主クラブの会員も原告になり、意見陳述書を提出し、傍聴してきました。

 いま政府は、国民に「自助」を押し付け、社会保障の責任を放棄しようとしています。年金制度の改悪を許さず、「最低保障年金制度」実現の運動を進めましょう。

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