主張・見解
イージス・アショア配備計画は撤回を
婦民新聞第1648号(2020年6月30日号)より
安倍・トランプ会談後の二〇一七年十一月、報道で秋田県と山口県が、「イージス・アショア」の配備候補地であることを知ってから足掛け四年。六月十五日、防衛省は記者会見し、迎撃ミサイルに技術的な問題が見つかり、改修に相当なコストと期間がかかるため計画停止と説明しました。配備反対の世論と運動の広がりで「計画停止」に追い込まれたのです。
政府はこれまで「地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム」イージス・アショアを秋田県・山口県に配備するのは、北朝鮮のミサイル攻撃から日本全土を守るためだと説明してきました。しかし秋田県・山口県は、米軍のインド太平洋司令部があるハワイとアンダーセン米空軍基地のあるグアムと、北朝鮮との最短経路上にあります。日本を守るのではなく米国を守る「盾」であることは、米戦略国際問題研究所の「太平洋の盾 巨大なイージス艦としての日本」と題する論文からも明らかです。
そのうえ、イージス・アショアの費用はどんどん吊り上がり、最終的には一兆円とも言われています。特に搭載される新型迎撃ミサイルSM3 ブロックIIAの日米両国の共同開発費は底なしだとも言われていました。
河野防衛大臣は、ブースターを演習場内と海上に落下させるためには大幅な改修が必要、改修に約十二年、二千億円以上かかることを停止にしています。防衛省が「落下地点は安全な場所に制御できる」と説明してきたのは嘘だったのです。配備計画をすべて白紙撤回させるまで運動を広げていきましょう。