主張・見解
検察庁法改正案廃案「閣議決定」撤回を
婦民新聞第1645号(2020年5月30日号)より
三月十三日今国会に提出された「検察庁法改正案」は検察官の定年を国家公務員等の定年と合わせて段階的に六十五歳とする規定のほかに、これまで一度も認められてこなかった定年延長を「内閣の判断で認める」という規定が織り込まれた重大な法改正となっています。
その発端は一月三十一日の閣議決定、「黒川東京高検検事長定年延長」でした。
政府は「検察庁法改正案」と「国家公務員法改正案」との「束ね法案」として衆院内閣委員会に付託し、短時間で可決成立させようとしました。
「改正案」には法曹界をはじめ多くの人たちが拙速な法案審議は許さないと声をあげ、「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートは一千万に迫りました。
五月十五日、元検事総長ら検察OB十四人は「意見書」を法務大臣あてに提出し「心あるすべての国民は検察庁法改正案に断固反対の声を上げよう」と呼びかけました。私たち婦人民主クラブも「内閣による検察人事への介入を合法化する『検察庁法改正法案』の撤回を求める」声明を発表し、全国の支部から国会へ抗議FAXを送りました。
安倍政権はこうした世論を前に改正案の今国会の成立を断念しました。直後に発覚した賭け麻雀の報道に黒川氏は事実を認め辞職しました。安倍首相の任命責任や、黒川氏への軽すぎる処分についての責任逃れなどにも追及の手を緩めてはなりません。
更に引き続き「検察庁法改正案廃案」「定年延長閣議決定撤回」を求めていきましょう。