主張・見解
第二波を防ぐための予算と対策を直ちに
婦民新聞第1644号(2020年5月20日号)より
五月十四日、政府は八都道府県を除く三十九県で、新型コロナウイルス緊急事態宣言を解除し、第二波を防ぐため専門家会議の提唱した新しい生活様式を規範とするよう、国民の「自覚」を求めました。
しかしワクチンが未開発の今は、無症状の感染者を発見し隔離ケアしていくことが必要です。現に国によっては圧倒的な検査を実施、死者も最小限に抑えたまま収束に向かっている地もあります。それに対し日本は極端にPCR検査が少なく政府専門家会議のメンバーでさえ、公表されている日本の感染者数は実際はその十倍はいるだろうと言っています。
だが政府は検査対象者を依然として「症状の出た人」などに限っており、無症状感染者を見つける機会は狭まる一方で、このままではウイルス保持者を放置したまま人々が活動することになり、感染第二波を防ぐことはできません。
医療機関や介護施設では、今も集団感染が発生し続けています。最も危険な医療機関、体力の落ちた高齢者と三密で仕事をする介護施設は優先的に職員、入院者、入居者全員の検査と、リスクの高い妊婦など、希望者全員の検査を早急に実施すべきです。
この間、医師会や自治体では検査技術の研究、開発が進み、検査センター設置の拡充等も進めている状況にもかかわらず、政府はそれらの活用を抑制し続けています。第二波を防ぐために、第二次補正予算でそれらの費用を保証すること、国内資源を政府の力で総動員し、国民のいのちを守る取り組みを迅速に行うことを日本政府に強く求めます。