主張・見解
日本政府は地球温暖化への警鐘に応えよ
婦民新聞第1640号(2020年3月10・20日合併号)より
地球の温暖化が危機的な状況に陥っています。
今のまま二酸化炭素を排出し続ければ、二〇三〇年にも世界の平均気温の上昇が産業革命以前から一・五度に達する恐れがあると言います。
一・五度は地球危機回避の目安、三〇年がその期限とみられています。
パリ協定による世界各国の目標水準をさらに引き上げていく必要があるということです。
ところが世界五位の温室効果ガス排出国である日本の現行目標は二〇一三年度比二六%削減、排出量の多かった一三年度を基準にしたもの。世界からあまりにも低すぎるとの批判を浴びてきました。
いま世界では、「未来を奪わないで」と訴える若者たちの行動が大きく広がっています。
その契機となったのは、二〇一八年八月二十日からたった一人で学校ストライキを始めたグレタ・トゥーンベリさん。
地球温暖化をこれ以上進めさせないよう政府に迫るため、スウェーデン国会議事堂前に座り込み、SNSやマスコミの報道などで世界中に広がりました。
またオーストラリアで猛威を振るった火災が世界へ警鐘を乱打しました。
森林火災が激化した原因は熱波と干ばつ。化石燃料によって一旦、気温が上昇すれば、どこでも起こりうる事態なのです。
日本の石炭火力発電は二〇一六年、三十二%を超えなお増え続けています。
国連のグテレス事務総長からも「石炭中毒」と揶揄される日本は、この世界的気候変動の危機から脱する取りくみに一刻も早く方向転換すべきです。
グレタさんら世界の若者の行動に呼応し、日本での運動を広げましょう。