主張・見解
日本政府は地球温暖化防止へ真摯に対応せよ
婦民新聞第1632号(2019年12月10日号)より
国連気候変動枠組み条約第二十五回締約国会議(COP25)が十二月二日、スペインの首都マドリードで始まりました(十三日まで)。
百九十七か国・地域、国際機関、市民社会代表など二万五千人が参加しています。COP25では、地球温暖化防止対策の国際的枠組み「パリ協定」の運用ルールでまだ決まっていない温室効果ガス削減量の国際取引の仕組みで合意に至るかどうかが注目されています。
また産業革命前と比較して世界の平均気温上昇を二度より低く抑え、一・五度に抑えるパリ協定の目標達成に向け、各国がより意欲的な削減目標を提示するかについても注視されています。
気候変動は深刻です。世界各国でかつてない豪雨や海面上昇、記録的な熱波など異常気象が起きています。台風十五号、十九号などによる人的、物的被害等は世界的に見ても大きく、気象災害で最も影響の大きかった国として日本がワースト一位に名指しされました。
九月の国連気候行動サミットでグテレス国連事務総長は、気候変動対策を「私たちの生存がかかったたたかい」と訴えています。
しかし世界に逆行する動きもあります。トランプ米大統領は十一月四日、「パリ協定」からの離脱を正式に通告しました。
日本の姿勢も問われています。梶山弘志経産 大臣は「国内も含めて石炭や化石燃料を使う発電所は選択肢として残しておきたい」と世界の流れから著しく逸脱した意見を述べ、内外の厳しい批判を受けています。今こそ日本政府は地球温暖化防止に向けて真摯に対応すべきです。