主張・見解
水道民営化に断固反対します
婦民新聞第1629号(2019年11月10日号)より
昨年十二月強行成立、今年十一月施行の改正水道法で、民間業者の水道事業参入が認められました。
施設・設備は公営のまま運営権を企業に売る民営化です。
住民への説明では、民営化すると料金が安くなると言いますが、法人税他各種税金・役員報酬・株主配当等、自治体には求められない経費が増え料金は高くなるのが当然です。
一九八〇年代、欧米や南米で民営化が進められましたが、料金高騰、水質悪化で住民からの苦情が相次ぎ、今世紀に入ってからは再公営化の動きが進んでいます。
日本では浜松市が昨年、下水道を民営化しましたが、今年予定した上水道の民営化は市民の強い反対で実施できませんでした。
いま民営化の先頭を走っているのが宮城県で、二十年間上・工・下水道の運営を民営化するための条例を今月の議会に提案するとしています。
そこで昨年来これを追及してきた会派が資料を開示請求したところ、百六十頁全てを黒塗りで提示、不服申立てによるやり直し命令の後も殆ど黒塗りで、理由は「企業の利益を損なうから」というのです。
これでは審議もできず、民営化後は企業が秘密を盾に拒めば資料公開もされず、県は監督責任を果たすことは不可能でしょう。
また民営の二十年間に自治体には水道業務のできる人はいなくなり、管理監督する能力も、また再公営化しても運営する能力も失ってしまうでしょう。
これまで水道が公営で実施されてきたのは、命の水は「きれいで、豊富で、安く」なければならず、この事業での利益追求は認められないからです。
私たちは水道民営化に断固反対します。