主張・見解
国民犠牲・経済破壊の「骨太方針」に審判を
婦民新聞第1619号(2019年7月10日号)より
安倍政権は六月二十一日、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一九」を閣議決定しました。
二〇〇一年以降、自民党政権が毎年発表してきた、いわゆる「骨太方針」です。
「予定通り」十月に消費税率一〇%に引き上げることを明記し、来年度予算に追加の経済対策を盛り込み、内需底上げを強調し正当化しています。
アベノミクスが格差と貧困を拡大させていることをよそに、大企業や富裕層優遇も止めません。しかし財政健全化目標を据え置くなど財政悪化を認めてもいます。
増税に耐えうる経済状況にないなら増税自体を見送るべきとの批判の声も強まっています。
また団塊の世代が七十五歳以上になる二二年までに「社会保障制度の基盤強化」をすすめ、来年の「骨太方針」で「社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめる」と明記しました。
社会保障の改悪について具体案に触れず来年回しにしたのは、年金、医療、介護などの大改悪を目論んでいるからです。参院選前には隠し通そうとするあからさまな先送りです。
さらに当初案に入っていた「私的年金の活用促進について検討する」との表現が最終案で削除されたことは、老後に向かって自助努力せよとの金融庁の報告書が「年金・二千万円不足」問題として、国民の大きな批判の的となったからです。
政府にとって都合の悪い情報を隠す体質がここでも表れています。
国民に「痛み」だけを押しつけ、経済を破壊する「もろい」「骨太」方針にも参院選で厳しい審判を下し、国民が安心して暮らせる社会実現をめざしましょう。