主張・見解
復興期間延長と原発ゼロ法の制定を
婦民新聞第1578号(2018年3月10・20日合併号)より
二万二千人以上が犠牲者となり、七万三千人以上が避難生活を送る東日本大震災から七年を迎えました。
今でも仮設住宅で三万八千人以上が暮らし、福島県の避難者は自主避難を含めると五万人以上といわれ、被災地の復興はいまだ道半ばです。特に被災者の生活と生業の再建は遅々としており、さまざまな問題が残されています。ところが政府は、復興期間を十年間、二〇二〇年までとし、復興策の打ち切り、縮小を行なうとしています。
すでに、復興住宅の家賃や医療・介護の減免措置が段階的に縮小されるなど、被災者支援の強化ではなく後退により、被災者の生活が脅かされています。国は自治体への財政支援を再開・拡充し、被災者支援を強化して、生活と生業が再建されるまで責任を果たすべきです。そのためには復興期間の延長と抜本対策の強化が必要です。
また福島の原発事故による避難指示が全域で継続している自治体は二町に減りましたが、避難指示解除の自治体でも多くの住民が帰還できず、復興への道のりは厳しいのが現実です。さらに原発廃炉の見通しも立たず、国民の世論は、危険な原発の再稼働に反対であり、自然・再生エネルギーへの転換が求められています。しかし政府は再稼働に固執し、安全安心のエネルギー供給の政策は不十分です。
国民の声を受けて、三月九日には野党四党が「原発ゼロ基本法案」を提出しました。原発のない安全な未来をつくるため、法案の成立に向け運動を強めましょう。