主張・見解
公文書管理法を改正し行政のチェックを
婦民新聞第1577号(2018年2月28日号)より
昨年来、森友・加計問題、南スーダンの自衛隊日報かくしなど、公文書の問題が問われています。現行の公文書管理法は二〇〇九年に制定されました。行政機関に対し、事務・事業の執行に際して文書の作成を義務づけるとともに、作成・取得した公文書の整理、保存、廃棄などの手続きを具体的に定めています。また、国民がその利用を請求する権利を認め、公文書が「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源である」と明確に位置づけています。この法の目的は行政が「適正かつ効率的に運営される」とともに、その諸活動を「現在および将来の国民に説明する責務が全うされるようにすること」としています。文書については、行政における「意志決定に至る過程」ならびに事務や事業の実績を跡づけ、検証することができるように、「事業が軽微なものである場合を除き」作成することを義務づけています。
同法には衆参両院の附帯決議、日弁連の意見書などが寄せられています。「国民の知る権利」の明記、公文書の「軽微性」を理由とした恣意的な運用や、不必要な廃棄の防止などで、これらが実施されていれば、昨年来の公文書の問題の多くは起こらなかったと専門家は指摘します。二〇一七年末に提出された公文書管理法の改正案には保存期間一年未満の廃止、職員が職務で作成・取得した文書はすべて行政文書として扱うこと、「電磁的記録」(メール)の扱いなども盛り込まれています。私たちは主権者として「知る権利」について、さらに関心を深め、意識を高めていきましょう。