主張・見解
軍拡予算ノー、憲法を暮らしに活かす政治に
婦民新聞第1573号(2018年1月20日号)より
安倍政権が十二月二十二日に閣議決定した二〇一八年度予算案は、一般会計の総額九十七兆七千百二十八億円で、軍事費は五兆千九百十一億円と過去最大を更新する一方、社会保障予算は医療・介護などの「自然増」分を千三百億円も切り下げることをはじめ、国民にいっそうの負担をおしつけるものになっています。
軍事費は六年連続増額。北朝鮮情勢に対応するためとして新たに弾道ミサイル防衛関連経費、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」導入のための経費を計上、「島しょ防衛」を理由にした長距離巡航ミサイル「JSM」の取得は、日本が初めて「敵基地攻撃能力」を保有することになるもの。こうした日本の軍拡路線は東アジア地域の緊張を一層高めるものと言わなければなりません。墜落事故の絶えないオスプレイ、F35ステルス戦闘機、無人偵察機の購入、米国製ミサイルの導入で今後、米国製兵器の購入はさらに増額されます。
社会保障費削減は高齢者や障がい者、生活保護受給者が標的とされ、特に生活保護の母子加算、児童養育加算の削減は貧困の連鎖を助長するものです。総選挙公約であった「幼児教育・保育無償化」は消費税増税前提のために先送り、深刻な待機児問題解消にはほど遠い内容です。「戦争する国づくり」を予算の面から推進するこの予算案は、憲法の規定とはまったく相いれないものです。「安倍9条改憲NO!」とともに「憲法を暮らしに活かす政治に」の声を広げていきましょう。