主張・見解
全国から原発はいらないの市民の声を
婦民新聞第1570号(2017年12月10日号)より
十一月二十七日、福井県おおい町と県議会に続き、西川一誠福井県知事は関西電力大飯原発三、四号機の再稼働に同意しました。知事が再稼働に同意したのは全国で五例目です。
福井地裁が二〇一四年五月、「原発は人格権を侵害する」と運転の差し止めを命じた判決を不服として、関電側が控訴した控訴審(名古屋高裁)の判決も出ていない状況の中での再稼働同意でした。十四q先にはすでに再稼働された高浜原発がありますが、事故時の住民避難計画は同時事故を想定していず、原発「密集地」と言われる同地域での事故が起こればどれだけの甚大な被害が出るかわからないと言われています。隣接する京都府と滋賀県の両知事も再稼働は容認できないと反対を表明しています。
東電福島第一原発事故の発生から六年九か月が経っていても未だ収拾の見通しもなく原因究明も進んでいないばかりか、国は被災住民への補償も確立せず、国民の不安には何一つ応えられていません。新潟県では「原発再稼働反対」「廃炉」を求める住民の多彩な運動によって、昨年、原発再稼働を認めない米山隆一氏を県知事選挙で当選させました。国の原子力規制委員会は東電柏崎刈羽原発六、七号機の新規制基準「適合」を認めましたが、新潟県知事の姿勢は変わらず、県が独自に設けた複数の委員会で検証作業を続ける考えを強調しています。
再稼働を急ぐ安倍政権に対して私たちは新潟県に続き「原発はいらない」の市民の声を、ますます大きなものにしていきましょう。