主張・見解
森友・加計疑惑の徹底した真相究明を
婦民新聞第1569号(2017年11月30日号)より
学校法人「森友学園」に、大阪府豊中市の国有地が鑑定価格よりも八億円以上も値引きされて売却された問題で、調査していた会計検査院が、値引きの根拠とされたごみの撤去費用について十一月二十二日、「十分な根拠を確認できない」とする検査結果を報告しました。報告は国有地売却の算定を「適性だ」と言い続けて来た政府の主張を大きく揺るがすもの。第三者を入れた調査委員会設置を求めた野党議員らの要求を、安倍晋三首相自ら「検査院が調査する」と拒否してきただけに、首相には真相解明と説明責任が改めて求められます。「森友学園」がこの国有地に開設を予定していた小学校は、安倍首相の妻、昭恵氏が名誉校長を務めていたもので、払下げ時期とも合致、昭恵氏が関与した疑惑も濃厚です。
学校法人「加計学園」(岡山市)をめぐる問題も、重大な局面を迎えています。林芳正文部科学相は十一月十四日、「加計学園」が申請していた獣医学部新設を認可しました。安倍首相の「腹心の友」とされる加計好太郎氏が理事長を務め、開設をめぐり数々の疑惑が指摘されてきた学部です。
疑惑の核心は安倍首相による国政の私物化にほかなりません。ところが安倍首相は、野党が要求した臨時国会開会要求を三か月も無視したあげく、召集した国会では冒頭解散を強行、疑惑隠しを続け、さらに衆院選勝利で「みそぎがすんだ」とばかり、特別国会をこの問題に幕を引く場にしようと躍起です。このままでの決着は許されません。昭恵氏や加計氏などの関係者の国会招致をはじめ徹底した真相究明が必要です。