主張・見解
共謀罪法廃止署名を大きく広げよう
婦民新聞第1561号(2017年8月30日号)より
二〇一七年六月十五日、安倍政権は「共謀罪法(改正組織犯罪処罰法)」を強行成立させ、七月十一日に施行しました。
法案審議では政府の答弁が二転三転し、国民の疑問の声がますます高まる中、何としても通常国会中の成立を企てた安倍首相は、参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」という極めて異例のやり方で採決を強行しました。
日本の刑法では犯罪の具体的行為があって初めて処罰されるのが大原則ですが、共謀罪は二百七十七もの犯罪を対象に、犯罪行為がなくても二人以上で計画し、うち一人が「実行準備行為」をしたと捜査機関が判断すれば、関係者全員を処罰できるというものです。
心の中で考えていることを犯罪として立証するためには、密告や盗聴などにより日常的に市民を監視することになります。国会審議では電報、メールをはじめライン、フェイスブックなども監視の対象にされることが明らかになりました。憲法に保障された市民のプライバシーの権利、思想・良心の自由や表現の自由、通信の秘密が侵害されことは必定です。
かつて侵略戦争に反対し、民主主義を訴えた人々を弾圧した治安維持法の再来と言われますが、共謀罪が戦争に反対し、安倍政権の前に立ちはだかる「こんな人たち」の弾圧のために恣意的に運用される危険は明らかです。「平和を手離さない」を標榜する私たち婦人民主クラブは共謀罪を作動させないように「適用するな!」の声をあげ、そして「共謀罪法の廃止を求める緊急統一署名」を大きく広げていきます。