主張・見解
悪法を廃止し核禁止条約に署名する政府を
婦民新聞第1560号(2017年8月10・20日合併号)より
八月三日安倍晋三第三次内閣は大幅な改造を行い、極右派一色だったお友だち内閣を各派閥から人をかき集めた「挙党内閣」に切りかえました。これにより急落していた支持率は各社世論調査で軒並み数%上昇しました。では新内閣は期待できるのでしょうか。
極右の日本会議は十二人から十四人へと増えましたし、そのほかも自民党閣僚はすべて神道政治連盟やみんなで靖国神社に参拝する会など右派議連所属。首相とは関係が遠いとされる人たちも、カジノ議連であったり、自衛隊を憲法に位置づけるべきという考えの持ち主です。新閣僚の「実績」を見ると、自民党の国対委員長や委員長代理として、TPPやカジノ、共謀罪などの強行採決を推進した人たち、辺野古基地建設や敵基地攻撃能力保有論などで首相を後押ししてきた人も。何よりも首相と官房長官はそのままです。
南スーダンでの戦闘を報告した陸自日報問題に関わる防衛相はすでに辞任、森友・加計問題に関わる文科省や農水相・地方創生担当相なども退任させて委員会審議に出席する義務をはずすなど、疑惑隠しの改造でもあります。森友問題での首相夫人や加計問題で加計氏本人の招致も、陸自日報問題の閉会中審査への稲田氏の出席も拒否、真実解明を恐れる首相の本音が露わです。
首相は「九条改憲は日程ありきではない」などと低姿勢ですが、いつ牙をむくか機を窺っているにすぎません。油断せず秘密保護法・戦争法・共謀罪法を廃止し、核兵器禁止条約にサインする政府を作るために力を合わせましょう。