主張・見解
沖縄の民意無視した基地建設工事やめよ
婦民新聞第1528号(2016年7月30日号)より
高江をめぐる情勢が緊迫しています。七月二十二日午前六時、防衛省沖縄防衛局は、沖縄本島北部の東村高江に予定されている米軍ヘリパッド(ヘリ離着陸帯)建設を再開しました。現地では住民や多くの県民がつめかけて工事中止を訴え、これを全国から動員された数百人の機動隊が強制排除。県道を封鎖、民間の警備会社まで動員する中で工事用車両が移動し、作業を開始しました。新たなヘリパッド建設工事に向けて、大型トレーラーで資材や機材の搬入が強行されたのは七月十一日、参院選挙の翌朝以降です。まさに「オール沖縄」の基地反対の強い民意を踏みにじる暴挙です。
ヘリパッド建設は、日米両政府による一九九六年十二月のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、生物多様性の宝庫「やんばるの森」の一部に広がる米軍北部訓練場の約半分を返還する条件にあげられたもの、六つのヘリパッドを建設するとされています。〇七年から着工し、うち二か所が完成、昨年から米軍に提供されました。今、建設が強行されようとしているヘリパッドは、垂直離着陸機V22オスプレイを配備予定の名護市辺野古新基地と一体的な施設です。すでに普天間基地(宜野湾市)のオスプレイが頻繁に飛来し、住民生活や生態系に深刻な被害を及ぼしています。翁長雄志知事は「政府の姿勢は到底容認できるものではない」と強く批判しています。
私たちは安倍政権のこの暴挙を許すことはできません。新たなへリパッド建設工事と資材搬入などを即刻中止することを求めます。